新しい一歩

産まれてすぐ、カンガルーケアをしているところ。そこまで10時間もかかったのに、産まれるまでの流れが早すぎて、何が何だかわかってない2人…

この春、新しい生活がスタートした方もいたのではないでしょうか?新しいチャレンジを始めた方、そして、逆にそんな方を受け入れる側の方。

私たちは、産まれたその瞬間から、やったことのない母乳がスタート。2人とも初めての人同士。胎盤が剥がれて、母乳が分泌されてくるんけですが、初めからジャージャー出るわけではない。ポトポトと一滴ずつ出てくる。
胸にメモリがあるわけでもなく、しぼんでいくわけでもないから、出てるのか、出てないのかわからない状態です。
でも、やるしかない。
とにかく3時間、そして、それまでに泣いたりしても2人でチャレンジです。

まずね、口が小さいから、開けるのも一苦労。
やっと乳首を咥えるチャレンジ。
次は吸うというチャレンジ。
次は飲み込むというチャレンジ。
そして、次は眠気との戦い。吸うのに寝ちゃう。
ま、それでもやる。

そんなこんなを一日中。楽しいのです。
赤ちゃんは3日分のお弁当を持って来ていると言われていて、3日は飲めなくても、体重が減っても大丈夫とされています。1日150gくらいずつ減っていく。なので、この3日でどれくらい練習できるか?なの。
2日目に看護師さんが来て、どれくらい飲めるようになったのか、飲む前と後で体重測ってみますね。って。
よっしゃ!と、2人でワクワク。
で、飲んだ後、体重測定して帰ってきて、何グラムだったか聞いて絶句。

2g飲めてました。

は?の後、声が出ません。
1日150g減るわけでしょ。
1回の授乳に20分くらいかけて飲んでんねんで。
これ100回以上1日にするわけ?
せっかく出産前からケアしてきて、すぐ出るようにしてたのに!
こんなん無理やん!
は?
どうするん?

と、頭の中はパニックに。

すると看護師さんが、
2gも飲めたんですよー!って喜んでる。

ハッとした。
ほんまや、咥えられへん、吸えへん、飲み込まれへん人が、それをしてるんや。すごいわ!って。
でもさ、実際2gでは、生きれない。 
だから、そこから、授乳のたび、母乳を絞りおちょこみたいなやつに10ml貯めて、スポイトで鳥の餌みたいに飲ませる練習。
実際やると、10mlでも飲むのに時間がかかる。
夜中に2人で練習です。赤ちゃんは夜行性ですから…その夜にもいろいろありましたが、書ききれないので、また今度。

退院するまでに、産まれた時の体重に戻さないと退院できないと言われて焦る。が、一回づつ丁寧にやるしかねー。なのです。
でも、この2gは忘れないな。

初めてってここからなんだ。
なんでもそう。

無意識の期待というか、想像を超えた現実を目の当たりにして、ショックで打ちのめされている場合ではない。そこからやねん。どれくらい練習したり、向き合ったかってことが、だんだん当たり前になって、前に進んでいくんだな。
実際、そのスポイト練習は一晩でクリアして、次は固〜い口の付いた哺乳瓶で吸う練習。
搾乳して、母乳を瓶に移し、20mlを授乳の度に足してあげる。これもクリア。
どんどんすごいスピードで成長していく。

クラスでも呼吸についてよく聞かれます。
先生みたいに呼吸が長くしたい。

これにも初めがあったんだ。
3秒しか吸えない…
呼気と吐気が均一なんてできない…
無理やり長くしたらそのあと、息切れして余計に呼吸が短くなる…なんてこと。

でもね、何年も毎日向き合った結果、1分に1回の呼吸になるんだ。
同じだなーって。



10日経ち、アクビがこんなに大きくなりました。

うちの病院は母乳推進の病院なので、授乳の度に看護師さんを呼んで、チェックが入るわけ。これめんどくさいというか、なんか鬱陶しく感じるねん。いちいち指導入るし。
でもね、退院の頃には、母乳で育てられる少しの自信と勇気が持ててるんだ。ほんとにいい病院に出会えました。

退院後は2人で頑張らなきゃいけないんだもんね。看護師さんたちのおかげさまで、今日も2人、失敗ばかりですが、ヘラヘラ頑張ってます。

旦那さんのたくさんの小さなサポート。
このちょっとのことが、ほんとに助かる。
あれ取って。これ取って。とかね。
そして、産んでくれてありがとうの言葉が今日も元気にしてくれます。

産まれてくれてありがとうなのです。
みんなの新たなチャレンジも、どうかパワーいっぱいで向き合えますように。